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昨日、一昨日と企業の
成功要因を学ぶための
『事例研究』を記事
にしましたが、本日は倒産による
『事例研究』をご紹介します。
ご紹介する企業は
『リッカー』
リッカーは、昭和30年代から40年代にかけてミシンマーケット
の50%のシェアを握る、ミシン業界のトップメーカーでした。
しかし、昭和59年(1984年)に負債総額1100億円を抱え倒産。
◆倒産にいたる背景◆
・リッカーが本業としていたミシンマーケットは、昭和30年代には
普及率30%であったが、昭和40年代になると普及率70%と飛躍的
に成長していました。
・この時期には独自の「月掛け予約販売システム」により、トップ
シェアを取り、大きく成長したのです。
・ところが昭和44年のミシン生産台数430万台のピークを迎えてから
は、生産台数がジリ貧の状況になり、昭和58年には160万台までに
落ち込みました。
・このような環境変化に対しリッカーが取った施策は
『他事業分野
への多角化戦略』でありました。
・昭和40年には三洋電気と提携して、脱水式電気洗濯機を取り扱い、
家電製品への進出を果たし、続けて冷凍冷蔵庫を開発し、いずれも
飛ぶように売れた。と言われています。
・しかし、生産を他の提携会社に委託する
OEM供給方式を採用した
ために、リッカー自身は技術力が蓄積されず、コストダウンも容易
に進まない状況で、家電事業も競争力を失うことになります。
・また、多角化戦略としてホテル事業や物流事業への進出も実施して
結局は資金の固定化を招いて本業の足を引っ張る形となりました。
◆倒産の真の原因◆
・リッカーのケースでは、多角化戦略が次々と失敗して自分の首を絞
めるカタチになったのですが、多角化戦略が間違いだったか…?
実は間違っていなかったのです。
・現に家庭用ミシンメーカーの御三家と言われていたブラザー工業は
リッカーと同様に多角化戦略を採り、電子タイプライターや小型の
プリンターといった情報機器において成功しています。
・すなわち、
この時期に多角化戦略は有効な手段だったのです。
・ではリッカーの倒産の真の原因は何だったのか…?
それは
数字にこだわり過ぎたことでありました。(売上至上主義)
・まずは売上にこだわり過ぎたていたために、売上高が容易にあがる
OEM供給に依存し、メーカーとしての自社の技術力を高めるとか
生産力を強化する、あるいは他社と差別化商品を開発する、と言う
企業体質を強化しなかったのです。
・またホテル事業にしても、売上高を重視し過ぎたために
「お客様」
本位になり切る前に12店舗のホテル展開をしてしまい、遂には行き
詰ってしまったのです。
・リッカーは本業においても売上拡大・業績向上等々の数字に固執し
た施策を行っていました。
・ミシンマーケットが衰退している昭和56年の積極拡大路線の最中に
は、各支店に過大なノルマを課せ、売上が上がれば営業マンの給料
に反映するコミッション制度を取り入れています。
・ついには営業マンは
「売上ねつ造」まで追い込まれ、押し込み販売
が横行するようになり、各支店長は
「売上ねつ造」に尽力するよう
になって行きました。
・急激に増えた売掛債権は資金繰りを圧迫し、リッカー倒産へ一直線
に導いたのでした。
・倒産時の売掛債権は、590億円。そのうち
「ねつ造売上」は100億
円とも200億円とも言われています。
◆企業体質強化が重要な戦略◆
・リッカーの倒産から学ぶべきは、売上・利益を追求するのは良いと
しても、
中身を重要視せずに過度な売上至上主義は破綻する。
・
経営は利益追求する活動であるが、利益だけを追求して展開された
戦略は、企業体質を弱体化されてしまう事例です。
・すなわち
経営計画策定も「売上目標達成」「利益目標達成」を目指
した計画では、環境変化に対応することができません。
・環境変化に対応するためには売上・利益目標を達成するための計画
ではなく
『企業体質強化』を目指した計画にしなければ、
今後の生き残りは難しい。ことを理解して戴ければ大変ありがたい。
のですが…
◆最後に…◆
・中小企業さんに
『3年後の環境変化に対応する戦略は…?』
・そんなことを言うつもりもありませんが、少なくとも皆さんの企業
を取り巻く環境が変わっている。と感じたら、是非とも環境変化に
対応する施策を考えて下さい。
・また、ご自身で思いつかなかったら無料ですので
『経営相談』
に来て下さい。
・経営コンサルタントは、そんなに敷居の高い業界ではありません。
・また、私達は相談を受けて、期待に応えてナンボの世界です。
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