2011年01月28日

企業の存続発展で最も大切な“モノ”

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昨日、ブログ記事で書きました第3回「豊田成果塾」の事例研究での
「映画産業没落の要因」の解答を記事にします。

*写真はネットより「ハリウッド看板」を検索し、掲載しています。
 

戦前戦後を通じて隆盛を誇ったハリウッドの映画会社が次々に倒産し、
映画産業が没落した原因は、新しい製品・技術(テレビ)の出現による
新しい「モノ」が古いものを駆逐した。
と一般的には思われがちですが、本当の原因は異なります。
『映画会社を没落に追い込んだのは、映画会社自身である。彼らの戦略
・施策が映画産業没落の真の原因でした。』



昨日、書きましたように映画会社の経営者達は新しい製品・技術の出現
に際し『大作主義』『テレビ敵視主義』との戦略を選択しました。
これが経営者として最大の戦略ミスであったのです。

◆映画会社の経営者達は、お客様が何を望んでいるのか見抜けなかった
のです。
 お客様は映画館に「娯楽」を求めに来ていたのです。
娯楽の対象は必ずしも映画である必要はなかったのですが、映画会社の
経営者達は映画の製作にこだわったのです。彼らは映画会社の経営者で
ある前に「映画屋」になってしまったのです。

◆もし、彼らがお客様の欲している“モノ”を真剣に考えていたならば、
自らを「映画屋」から「娯楽提供業」へ転換させなければならないこと
に気づいたことでしょう。
当時の「環境変化」は、お客様の娯楽に対する要望(ニーズ)は多様化
して、映画のみが独占的な娯楽での地位を確保することは困難でした。
経営資源である「人」「物」「金」が揃っていたにも拘わらず、お客様
の要望を掴み切れず、自社の方向性を環境変化に合わせることを怠った
映画会社は当然、没落の一途を辿りました。

◆映画会社の経営者達が「自社を取り巻く経営環境」「お客様の欲し
てるモノ」
に、正しい認識を持ち、正しい危機感を保有することができ
たなら、テレビとの関係だけに眼を奪われるような施策を(大作主義・
テレビ敵視主義)打つことはなかったでしょう。

◆娯楽ニーズの多様化の時代背景があったのですから当時、映画会社の
経営者達のとるべき戦略は『テレビと提携』であり、テレビを
通じて映画を売り込む、宣伝するといった『販売ルート』として活用を
行う戦略が時代に合った正しい戦略でありました。

◆映画会社が「テレビとの提携」を戦略として選択していたら、テレビ
の映像フィルム製作を「一流の人材」「高度な技術」「豊富な資金」
を活用し、テレビ業界の映像製作部門を独占し、テレビ業界の成長発展
に連れ大きく成長することができたでしょう。
しかし、彼らには「テレビとの提携」という戦略を選べない理由があっ
のです。全国にある映画を放映する映画館が、潰れてしまうことを危惧
していたのです。
映画会社の経営者達は、どこまで行っても「映画屋」であり、映画館を
ボーリング場や各社の娯楽施設に改装する発想がなく、お客様のニーズ
に応えて行くことができなくなり、没落して行きました。


◆結論◆
映画会社の経営者達は企業経営は『環境適応業』であることを
忘れ「映画」という商品(製品)を売ることに固執してたから、お客様
の要望(ニーズ)の変化に気づかず「新しい娯楽」の開発を考えること
ができないまま『娯楽提供業』への転換を選択できなかったのです。

現在の時代も同様であり、お客様の要望(ニーズ)が急激に変化してい
るにも拘わらず、旧態依然とした「商品」「製品」「売り方」に固執し
ている企業が多いこと…
 大変危険な状態です。
このような状況では、業績が下降するに決まっています。
企業の成長発展に最も重要な“モノ”は
◆環境に合った正しい戦略◆
を保有することです。

たとえ「人」「物」「金」の経営資源が充分揃っていても、時代に
合っていない戦略、お客様の本当に欲しがっている「モノ」が間違
っている戦略を推進していたら、企業という存在は没落・衰退する
事例でした。








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Posted by 戸塚友康 at 09:24 │豊田成果塾

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