2010年02月13日

マーケティング戦略/コントラストの原理

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昨日に続いて、現在の不況時に業績を伸ばしている企業さんの
『マーケティング戦略』の一部をご紹介します。

本日、ご紹介するのは
『コントラストの原理』
*実際以上に差を感じる人間の錯覚。


静岡県にある住宅販売会社P社の販売手法ですが、まずは住宅
展示場に来場していただくのが「見込客」の発掘になるのですが、
このP社は5物件ほど保有している住宅展示場の中で最も高級な
モデルルームを最初に見学してもらいます。
郊外の一等地に庭付き、テラス・バルコニー完備の超高級住宅を
最初にご案内(ご招待)されたら、当然のように欲しくなります。
誰が見学しても羨むような住宅ですので、来場者(見込客)の欲求
レベルを最上級にあげることからP社の営業活動はスタートします。
仮に2億円だと価格を設定しますと、ほとんどのお客様は「ため息」
で終わってしまうそうです。(もちろん想定済み)

2件目にご案内するところが販売側から見て、見込客の方が最も
買う可能性が高い物件をご案内します。
欲求レベルを最高級まであげてありますので、当然に物足らなさ
を感じますが、価格帯は充分に支払い可能な物件のご案内です。
価格ですと仮に2000万円~3000万円と設定します。

最後に展示場の物件を販売する新古住宅をご案内します。
この場合は現物ですので、価格帯はお手頃ですが、ほぼ100%の
確率で奥様が難色を示すそうです。
価格帯は仮に800万円~1200万円と設定します。

『コントラストの原理』で言いますと、まず超豪華な2億円の物件
を見学しますと「新築の家が欲しい」欲求はMAXになります。
つまり、買う・買わないの欲求レベルが「買う」という欲求に事実上
意思決定されるケースが圧倒的です。
次に自分達が買えそうな物件を見学すると、価格帯は頑張れば
購入できますが、何か物足らなさを感じるはずです。
それは、最初に2億円の超高級住宅と比較対象して、必要以上に
差を実感しているからです・・・・
実は、その物足らなさを感じる部分にP社の『コントラストの原則』
を活用した戦略が潜んでいます。(最後に説明します)
最後に見学する展示場物件は、誰が見学に来たか、どこを触ったか
判らない物件は一般的に女性が敬遠します。

このP社の住宅販売戦略は実に見事に『コントラストの原則』を巧み
に活用しています。
最初に必要以上に高級住宅を見て、購買意欲を喚起する仕掛けを
行い、次の物件は当然に物足らなさをかんじさせ、最後に二番目の
物件を良く見せるための物件を見学してもらいます。
しかも、物足らなさを感じていますので、ここでP社が得意とする
オール電化やソーラ-パネルの提案します。
2億円という数字が頭に入っており、実際には2000万円~3000万円
の住宅購入を検討している時に200万円~400万円の提案は、小さな
買物に感じます。
多くの人達が住宅購入を決定した時にオール電化やソーラーパネル
も同時に契約に至るそうです。
お客様が言う一言は「せっかく新築住宅を購入するのだから・・・・」


このP社は『売れる仕組み作り』『付加価値の仕掛作り』を構築して
業績を着実に伸ばしています。
『コントラストの原則』を自社に当てはめて、マーケティング戦略に
取り組むことをお勧めします。