2010年02月09日

問題解決の本質

少し前の話ですが、お付き合いのありました新聞店の経営者
からの相談でした。


社長:「A地区の販売店より新聞の配達コースが不公平だ。との
    不平・不満が店長以下、ほぼ全員から出でいるが・・・・
    どうしたものかなぁ・・・・・?」

私  :「社長は、その件を聞いて何か動きましたか?」
社長:「いや、まだ店長から話を聞いただけで、改善策を検討して
    いる段階だけど・・・」

私  :「店長は何と言っていますか・・・・?」
社長:「A地区は、全員が平均250件の配達件数を抱えているが
     平坦なコースと坂道が多いコース、マンションが多く階段
     が多いコース等々でコースの格差があって、同じ件数を
     回るのが不公平だと言う意見が多いと言ってきたょ」

私  :「それで社長は何と回答したのですか・・・・?」
社長:「とりあえず、同じ仕事だから、仕事に公平も不公平も無い。
    どうしても不満なら店長がコースの組み換えを実施したら
    いいのでは・・・と回答しましたよ」

私  :「○○○として○○○○ですよ。」


さあ、どこに問題の本質があると思いますか・・・・?
また、私は○の中の言葉として何と言ったでしようか・・・・?

どこの企業さんでも働くスタッフの不平や不満は、多いか少ないか
は別にして、必ず存在します。
その時に経営者がどのような対応をするかが、今後のスタッフ達に
大きな影響を及ぼします。
私が発した言葉は、「経営者として職務怠慢ですよ」
と厳しい一言を投げ掛けました。

考えてみて下さい。
店長がわざわざ社長まで、事実を伝えに行ったのですから、
店長自身が困っているのか? その通りだと思っているのか、
どちらにしても放置してはダメだ。と店長が判断して報告して
いるのです。 このような問題は、通常は経営者には、なかなか
見えず、聞こえず表面化しにくい問題です。
こんな問題解決の絶好の機会を逃すなんて・・・・


社長の対応を店長は、どのように感じたでしょうか・・・・?
『社長は改善に真剣に取り組む気が無い』
と思われたら最悪ですよね・・・・
今回のケースは、まさに私が想像した通りの結果になっていました。

スタッフの考え方や、仕事への取り組む姿勢が『良いとか悪い』とか
のレベルの話ではありません。
そのような考え方や、仕事に取り組む姿勢を教育していますか・・・?
教えてもいないのに、スタッフへ責任転嫁する姿勢がダメです。
経営者の取り組む姿勢が、今回の問題の本質です。

結果として改善策は、
スタッフからの声を充分に聞き、現状を正確に
把握した結果、配達コース別に難易度を決め、
その難易度を評価し、賞与に反映する。

ことで解決しました。
その難易度もスタッフの声を聞き、
例えば平坦コースの部数は1.0部。(新聞は一部、二部と数えます)
     坂道コースの部数は1.2部。
     階段コースの部数は1.4部。
このように、大変なコースを配達している人の労に報いる仕組み(ルール)
を作ってあげれば、苦労して配達している人も報われます。

経営者の姿勢次第で会社の中にある問題が
解決するか、くすぶるか?

決まってしまう。象徴的な事例でした。   


Posted by 戸塚友康 at 07:30 │人間力を磨く

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