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2015年08月08日
特攻を拒否した夜襲部隊「芙蓉」の存在
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戦後70周年の節目の今年、二度と戦争を起こしてはいけないことを戦争
体験者がテレビやマスコミで語っています。
私達、戦争を知らない世代が後世に引き継いで行かなければならない。
と実感する節目の70周年でもあります。
太平洋戦争末期、戦況悪化に伴い、日本海軍連合艦隊司令部は特攻主体
の作戦を決定し、米軍の本土上陸に備える準備を行っていました。
その中で特攻を拒否し、「正攻法」を訴えた部隊があったことは知られて
いません。 焼津市の藤枝海軍航空基地の「芙蓉(ふよう)」部隊でした。
*関連写真をインターネットより抜粋させていただきました。
指揮官の美濃部少佐は「夜間攻撃の合理性」を説き、出撃していました。
1945年2月に木更津基地で行われた沖縄戦に向けた指揮官の作戦会議に
て、司令部から出された方針は、性能が格段に劣る練習機まで駆り出す
「全員特攻」の命令が決定したのでした。
特攻機が高性能の米軍機に勝てないことは目に見えていましたが、上官
の命令に誰も意義を唱える者は居なかった。時代です。
*関連写真をインターネットより抜粋させていただきました。
その中の末席にいた美濃部少佐は立ち上がり声を上げたのです。
「十重二重重の防御線を突破するのは不可能。特攻の掛け声ばかりでは
勝てません。」すぐに上官に糾弾されましたが続けて「今の若い搭乗員に
死を恐れる者はいません。ただ、国のために死ぬには、それだけの目的
と意義がいります。精神力ばかりの空念仏では、心から勇んで立つこと
はできません。同じ死ぬなら勝算のある作戦を講じていただきたい。」
当時の軍上官の命令は天皇の命令。
それに背くことは「抗命(こうめい)罪」に問われ、極刑の時代です。
それを覚悟の上で「芙蓉部隊」の戦闘能力の高さを活かす、「夜間攻撃」
の有効性を訴え続けたと言われています。
*関連写真をインターネットより抜粋させていただきました。
司令部は後日、芙蓉部隊を特攻作戦から外す異例の判断を下しました。
しかし当時の司令部は戦時中には芙蓉部隊の数多くの戦果を公表しな
かったのです。
司令部はすでに「全員特攻」との作戦を打ち出しており、それが間違い
であったと公言するような「夜間攻撃」を公表できなかったのです。
1945年4月に始まった沖縄戦では所属の約150機の戦闘機のうち約半数
が最前線の鹿児島の航空基地に配備されていました。
難度の高い夜間の攻撃を米国は特攻攻撃以上に恐れていたことは、戦後
に判った事実でした。
*関連写真をインターネットより抜粋させていただきました。
しかし、当時は司令部の命令である「全員特攻」を拒否した芙蓉部隊に
仲間からの批判が多かったようです。
「お前たちの部隊は卑怯者だ」と罵られることが頻繁にあるばかりでな
く、臆病者と言われ日本刀を突き付けられた隊員もいたようです。
「特攻部隊ではない」という理由だけで、他の部隊より質素な食事しか
与えてもらえない屈辱も味わったといいます。
それでも芙蓉部隊の生き残りの方は「うちの部隊は本当に多くの戦果を
挙げたんだ。周囲から批判の声もあったが、陰では理解してくれる別部
隊の指揮官もいた」と証言しています。
また戦果と同様に「どの部隊より多くの犠牲者も出したことも事実であ
り、だからこそ、仲間を、指揮官を、部隊を誇りに思っている」
「部下の命、貴重な戦闘機を大切にして、常に日本の国のことを考えて
おり、“全員特攻”の世相の中、命を賭けて夜間攻撃を選択し、上官に進
言した美濃部さんは間違っていなかった」
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